ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は2月28日、西側諸国の同中銀に対する制裁措置が意味するところを初めて認めた。通貨ルーブルの急落を阻止するための市場介入ができないということだ。
ロシアはなぜ市場介入しなかったのか
同中銀が行動を迫られた際、どれだけの原資が残されているかには言及しなかった。
ロシア中銀の外貨準備高は数日前には世界5位の規模を誇っていたが、欧州委員会のボレル副委員長(外交安全保障上級代表)によれば、少なくともその半分が週末の制裁措置合意によって実質失われた。ボレル氏は記者団に対し、この外貨準備の約半分の所在は主要7カ国(G7)にあり、新たな制裁によって凍結されると説明した。
国際金融協会 (IFF)は、制裁措置でロシアが準備資産の約40-50%にアクセスできなくなった可能性があるとみている。直近の公式統計によると、外貨準備高は2月半ば時点で6432億ドル(約74兆円)。
中銀による介入がなかった28日、ルーブルは対ドルで30%余り下落。ナビウリナ総裁は前の2営業日の介入規模は計10億ドル余りに達していたと説明した。
ロシア・ルーブルが30%近い急落、制裁の影響で市場が一時まひ状態
ロシア中銀が持つ外貨資産の大半をフランスやドイツ、米国から動かすことができない中で、同中銀は大幅利上げと資本規制で市場安定を試みるほかなかった。
ロシアが大幅利上げ、03年以来の高水準に-制裁対応で通貨防衛強化