三菱ケミカルが本流の石油化学を大胆仕分け、リスク厭わず収益を創造《新「本業」で稼ぐ》


 柱の一つは、LEDや有機ELといった次世代光源をはじめ「7大創造テーマ」と呼ぶ新規事業の育成。今後の急速な拡大が見込まれるリチウムイオン電池関連では、主要4材料の正・負極材、電解液、セパレータのすべてを国内メーカーで唯一そろえるのが強みだ。各材料の増産投資は矢継ぎ早で、9月末には国内メーカーで初めて負極材の中国現地生産を表明した(12年生産開始)。「日本だけでなく世界を見据える」と三菱化学の露木滋専務・機能化学本部長兼ヘルスケア部門長は言う。

並行して、かつてない変身にも挑んでいる。“本業”である石油化学事業の大胆なそぎ落としである。三菱ケミカルは、原油から取り出されるナフサ(粗製ガソリン)をベースに、各種工業製品の素材を生み出す石化の国内最大手。石化が主力の素材部門は、10年3月期売上高が1兆2648億円にも上る。

この規模を大幅に圧縮しようというのだ。11年3月までに石化事業で、不採算部門から次々撤退。年間約150億円の営業赤字を解消し、世界で勝負できる品目に絞り込む。海外では各地の現地大手と提携する戦略を志向。結果、“捨てる”売り上げは3000億円程度にも上る。

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