三菱ケミカルが本流の石油化学を大胆仕分け、リスク厭わず収益を創造《新「本業」で稼ぐ》
三菱化学の前身である三菱化成時代を含めても、ここまでの構造改革は初めてだ。歴代社長を石化部門の出身者が占める時代が長く続き、グループの中でも石化は本流中の本流。いわば“聖域”だったからだ。
中東勢台頭で旭化成とエチレンの一部生産統合
数年かけて大型投資を行い、重い固定資産を自前で持って中長期で収益を刈り取るのが石化の従来スタイル。景気の動向に収益が左右される側面はあるが、儲かるときの利益も大きい。「10年間のうち1~2年間で大きく儲けられれば食べてこられた」石化を統括する石塚博昭・三菱化学常務は振り返る。
ところが、もうそれは通用しなくなりつつある。きっかけは中東勢の台頭だ。近年、安価なエタンガスをベースにした大型の石化プラントが中東で相次ぎ始動。そのコストは石油をベースにする日本勢の10分の1、15分の1とも言われている。
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