東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #グローバルアイ

なぜ米国はエボラ感染を防げなかったのか 医療システムは強固ではなかった

4分で読める
2/2 PAGES

近年の思い切った予算削減の原因の1つは、公衆衛生機関の運営がほとんど話題に上らず、注目もされずに行われていることだ。これらの機関は感染症を完全に予防することに最善を尽くし、極めて重要な役割を誰の目に触れることもなく行っている。景気のよいときには予算獲得が難しいうえ、財政削減時には最初のターゲットの1つにされてしまう。

われわれは医療インフラに過度に依存すべきではないが、感染症による死が迫っている今、その重要性は明白だ。

まだ安心はできない

米国内での深刻なエボラ流行の脅威は最小限に抑えられているが、だからといって安心はできない。西アフリカの感染者数が増加するにつれ、同国外での潜在的な流行可能性も高まるのだ。

オバマ大統領はリベリアでのエボラ対策を支援するため、8800万ドルの支出と3000人の軍隊の派遣を9月下旬になってやっと約束した。その間に6000人のエボラ患者が確認され、さらに多くの患者が未確認とされている。CDCの資金が適切な水準だったなら、米国は地上部隊の代わりに、高度に訓練された公衆衛生専門家による支援をもっと早く効果的に展開できただろう。

感染症が生じる前に予防することが公衆衛生の指針であり、長期的な投資が不可欠である。エボラの流行により過去10年間の愚かな財政選択が米国人に完全に露呈される可能性は低いだろう。しかし、世界で突如出現した感染症は、もしわれわれが警戒を怠っていたら何が起きるかをはっきりと思い出させる役目を果たしている。次の流行は間近に迫っているかもしれない。われわれは備えを十分にしなければならないのだ。

週刊東洋経済2014年11月15日号

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象