まるで遊び場?コロプラ新オフィスの狙い 仕事とリラックスが共存する異空間

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――社員数が増え続ける中で、コロプラの企業文化は変わってきていますか。

まさに会社の文化を形成していく時期に差しかかっている。文化を創るには色々な手法があるが、1つはオフィス環境というハードウェアからメッセージを出していくことが重要。もう1つは新卒採用を増やすことで先輩たちが教える立場になり、会社の文化が固まりつつある。他社が当たり前のようにやってきたことを、われわれは後追いでやっている。

 コロプラの企業文化は「いいやつ」(笑)、クリエイティブだけど非常に謙虚な会社。「素直さ採用」というのを行っていて、成長意欲が非常にありながら、貪欲な素直さを持った人を選考している。第一印象はとんがっていないかもしれないが、実はさまざまな変化や結果を素直に受け止め、どんどんバージョンアップしていくようなイメージ。こうした方針は自然と固まってきた。優秀な人たちに集まってもらっても、パフォーマンスに個人差が出る様子を何年か見ているうちに、うちの社風で活躍する人のパターンが見えてきた。

1年で3倍も4倍も人を増やすことはない

――今後も採用は増やしていくのですか。

はい。1年で(社員数を)3倍や4倍へ急拡大するとさすがに大変だが、1.5倍や1.8倍に抑えることで組織や企業文化の地固め、先輩後輩の関係を着実に積み上げていこうという気持ちが強い。自分たちができる範囲内でしっかりやれる人数を、責任を持って採用することで、楽しく働いて定着してもらうようかなり意識している。

 発想が昭和っぽいですよね。もしかしたら(以前勤めていた)リクルートの影響かもしれない。もともとリクルートは完全に新卒文化の会社で、中途採用はほとんどしていなかった。僕も1997年の新卒採用だったが、3000人の組織で毎年100人ずつ採用していた。あの変わった企業文化をじわじわ形成し、先輩が後輩をしっかりと教えていく世界はいいなと思う。無理して人を増やすと伝承が薄くなってしまう。ただし先輩が正しいことを行っているとは限らない。当社が何に対して素直になれと教えているかというと、もっとも重要なのが結果、2番目が数字で、結果と数字は絶対にうそはつかない。3番目が人だが、どうしてもボラティリティが出てしまう。でも聞く耳を持った方がいいので、人に対しても一定の素直さを持った方がいいと教えています。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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