中国オンラインショッピングの波は農村に届くか、楽天・ヤフーも本格展開だが…

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 中国で最も人気のオンラインショッピングサイト「淘宝網」のショッピングでのやりとりにおいて、基本的に何も頼まずともたいていは3社のいずれかでショップは配送手続きを行う。筆者自身も利用しているが、地元の代理店から担当者がバイクやワゴン車でマンションまで運んできてくれて便利だ。中国郵政はEMSですら代理店で保管する。

これら人気の民間の宅配便サービスは、中国全土に展開こそしているが、隅々にまで展開しているわけではない。極端な例を紹介すれば、申通快逓はチベット自治区や青海省では省区の中心であるラサや西寧にしかネットワークがない。たとえばチベット自治区であればラサの市街地にしか届かず、第2以下の都市はサポートしていない。

そこまででなくとも、中国全土の各農村部において中心となる人口数万人の町(鎮や県城と呼ばれる)はサポートしていても、それ以外の農村はサポートしていないのが普通。

公共サービスである中国郵政は中国全土に展開しているが、小包は追跡サービスができないうえに、商品が届かないこともしばしば発生する。EMSなら確実に届くが料金が高い。

■北京上海間を2kgの荷物を送るときの各会社の価格

(出典:iResearch)

自動車や鉄道で長距離移動すればわかるが、中国全土、中原の平地から内陸奥地の山奥にまで集落は点在し、チベット高原の無人地帯と呼ばれるところ以外、どこにでも人がいる。

こうしたところでは、通信インフラはあっても民間の宅配便サービスは事業にならないので進出せず、オンラインショッピングの普及には時間がかかるだろう。逆にいえば農村部の中でも人口が密集する町では、意識の変化により、オンラインショッピングが普及していく可能性は大いにある。中国政府統計局によれば都市部と「鎮」を合わせた人口は6億2186万人であり、まだまだ伸びしろはある。

最後に中国オンラインショッピング最新事情については、JETROサイトで無料公開されている「中国ネット販売ハンドブック(http://www.jetro.go.jp/industry/contents/reports/07000234)」が非常に細かく、かつ「日本の企業が参入するにはどうするか」など気になる点を細かく紹介しているので、中国オンラインショッピング市場に興味がある方は、まずはこの一読をお勧めする。

■内陸の「鎮」


■内陸奥地の道路沿いの集落

やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)

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