中国オンラインショッピングの波は農村に届くか、楽天・ヤフーも本格展開だが…
楽天は10月19日、中国で、検索サイトの雄「百度(Baidu)」と提携し、本国日本の楽天によく似たサイトデザインの「楽酷天」をオープンした。楽天は百度とタッグを組み、ソフトバンク配下のYahoo! Japanがタッグを組んだ淘宝網(TAOBAO)の牙城を攻めることになる。
先行するYahoo! Japanと淘宝網の提携では、それぞれのサイトで相手国の出品する商品が購入できることがウリとなったが、楽天と百度の提携では、楽天が中国で販売システムを提供することが目玉になっているようだ。
個人対個人の取引が人気の中国において、両社の最大のライバルは、税関対策など法の穴をかいくぐり、できるかぎり安く商品を個人輸出しようとする個人バイヤーであろう。
楽天の参入で再度、注目を浴びそうな中国のオンラインショッピング市場。その利用者数はCNNIC(中国インターネット情報センター)の調べで、1億4196万人を数える(2010年6月末)。全インターネット利用者4億2000万人(全人口の31.8%)のうちの33.8%にあたる。
最も稼いでいる世代の30代後半以上は、文化大革命経験の影響でハイテク・最新技術・最新製品に興味を抱いておらず、中国全土的にインターネット利用の普及率は低い。そのため、今後のネット利用者やオンラインショッピング利用者の伸びしろは、若者・老人以上に農村部に期待がかかる。
で、中国の農村である。CNNICが発表した最新の農村部のインターネット利用に関するリポート「2009 中国農村互聯網発展調査報告」によれば、09年末(上記の10年6月末ではないことに注意)の段階で、都市部は2億7719万人(都市人口の44.6%)であるのに対し、農村部のインターネット利用者は1億0681万人(農村人口の15.0%)である。