温暖化税の導入検討で省庁の財源争いが過熱
2011年度の税制改正の目玉の一つである地球温暖化対策税の導入に関する議論が本格化している。民主党の税制改正プロジェクトチーム(PT)は9月末から小委員会を開催。各省や関係する業界団体などからヒアリングを始めた。
温暖化税は、炭素の排出量に応じてガソリンなどの化石燃料に課すもの。政府は09年末に「平成23年度実施に向けて成案を得るべく、さらに検討を進めます」と明記した10年度の税制改正大綱を閣議決定。PT小委員会の初会合では、中塚一宏小委員長が「必ずや成案を得なければいけない課題」と発言するなど、11年度の税制改正で導入する機運がにわかに高まっている。
導入に向けた論点の一つが課税の方法だ。温暖化税の導入を目指す環境省は、既存のガソリン税や石油石炭税とは別に、すべての化石燃料に対し上乗せして課税することを提案。これに、同じく新税導入に動いている経済産業省は石油石炭税の税率を引き上げる対案を出している。
具体的な税率は両省とも「年末までに示す」と述べるにとどまるが、環境省が09年に出した「税収は1兆円程度」との試算が議論の目安となりそう。ただ20年までに温室効果ガスを1990年比で25%減らすには官民合計で100兆円の投資が必要とされ、これだけの税収でどこまで効果が得られるかが問われる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら