MRJは三菱の航空機事業に何をもたらすか 三菱重工のキーマン、鯨井洋一副社長に聞く

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――現在の受注は、今年8月に日本航空と基本合意した分を含めて407機(うち仮予約分が184機)。この数字をどう評価しますか。

われわれは実績がないうえ、機体もやっと試験機が形になった段階。そう考えると、十分とは言えないまでも、現時点でとしてはまぁまぁの数字かなと。旅客機としての性能はどこにも負けないので、開発作業がさらに進むにつれて、MRJプログラムに対する航空会社からの信頼度が高まり、受注にも勢いが出てくると思う。受注活動は焦らず、しっかり腰を据えて取り組んでいく。

そうした中、ローンチカスタマーの全日本空輸に続いて、日本航空も導入を決めてくれたことは非常に嬉しかった。これが(三菱重工の最大のライバル)エンブラエルと言われると、大変なダメージだった。

「のんびり造っていては間に合わない」

くじらい・よういち●1951年生まれ。78年三菱重工入社。機械・鉄構事業本部長などを経て、13年に取締役交通・輸送ドメイン長となり、民間航空機や船舶などを統括。14年より副社長(撮影:梅谷秀司)

MRJの生産は重工本体が担っています。目標とする17年からの納入開始に向け、量産体制の準備も必要です。

飛行試験で用いる5機はすべて既存の小牧南工場(愛知県西春日井郡豊山町)で最終組み立てを行うが、量産は近隣に工場を新設して行う。用地を愛知県から購入し、16年に稼働を開始する計画だ。のんびり造っていては納期に間に合わない。立ち上げ当初の生産ペースはかなり限られるが、早期に急カーブでぐっと生産レートを増やしていかないといけない。今、そのための具体的な対策とプランを練っている。

――飛行試験用の機体と量産機は造り方が変わるのでしょうか?

試験機はどうしてもコスト後回しで、非常に手間をかけて製作している面がある。量産時にはもっと効率的な作り造り方をしないといけない。飛行試験用の機体を製作する過程で設備や治具を改良し、量産のための効率的な生産ラインを練り上げる。

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