一辺倒からマルチをこなせるバランス力を--『新世界 国々の興亡』を書いた船橋洋一氏(朝日新聞社主筆)に聞く

一辺倒からマルチをこなせるバランス力を--『新世界 国々の興亡』を書いた船橋洋一氏(朝日新聞社主筆)に聞く

国際政治・経済の最前線は今どうなっているのか。世界を動かす知性を持つ11人に連続インタビュー。その結果をベースに、「新世界」列強時代に日本はどう臨むべきか。著者は「五つのパワー」構築で立ち向かえと説く。

──時代をとらえる言葉として、「ニューノーマル」がキーワードになっています。

ニューノーマルは、この本でもお話しいただいたモハメド・エラリアン氏というピムコの伝説的なファンドマネージャーの命名。彼はハーバード大学の基金を年26%の利回りで回したという、ものすごい人。この彼の言葉が、すっかり定着した。

──日本では、「新しい現実」とか「新たな常識」などと訳されていますね。

みんなが一言でいえる言葉を見つけようとしている。私はそれを「新世界」といってみた。ただし、英語にするとニューワールドだけでは寂しいので、Brave, Grave New World としてみた。イギリスの作家オルダス・ハクスリーの著作『Brave New World』のタイトルを借りて、これにGraveをつけた。ときめくような新世界だが、それだけではない。相当深刻なところもあるよ、と。ちょっとサスペンス含みだ。

──何が起こっているのでしょうか。

世界でただならぬことが起こっているのは、多くの人が感じている。それも実は深いものがあって、単にパワーセンターがアメリカやヨーロッパからアジアに移るというだけではない。アメリカが駆動させてきたグローバリゼーションは、ヨーロッパ発、中国発、インド発などと、さまざまに織りなして畳みかけてきている。

今まで整然と作り上げてきた日本のやり方も、それだけでは、とてもやりきれない。ある意味で、世界がフラットになったというだけではなくて、アップサイドダウンになっている。日本は世界を見るとき、欧米をモデルにしてきた。それなりに摂取し頑張ってきたが、それだけでは世界が見えなくなった。その新しい世界を「新世界」と名づけてみた。

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成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。