「世界一」の可能性は30%、いいなら実行[上] 柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長に聞く

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フリース一巡で急降下 「チーム経営」を解体

筆者は10年前にも「柳井論」を書いた。10年前も言っていた。「世界一。それ以外、ないですよね」。

自信はまったくぶれていない。「自分がやっていることは、絶対、正解と思ってるんで。本筋が正解だったら、到達するところに到達する」。

「本筋」の一つ。ユニクロはSPA(製造小売業)という業態を確立し、小売業の「日和見」と決別した。百貨店は“消化仕入れ”と称し、売れ残りを平気で返品する。ユニクロは発注量は全品引き取る。

当然ながら、返品すれば、メーカーは次から返品料を価格に上乗せする。だいいち発注量そのものを信用しない。コスト高と機会ロス。「だったら、儲からない。うちは最低コストにしたいから、全量引き取る」。

7年前、「正しさ」が危機を救った。1998年の原宿出店、そしてあのフリースの大爆発。売り上げは99年8月期の1110億円から、2001年8月期の4185億円に急膨張した。2年で4倍。ところが、その2年後、3000億円に転げ落ちた。ピークから3割ダウン。現下の既存店6%減収の比ではない。

「ブームの後は反動が必ず来る。2年で4倍。その先、そう簡単に成長できるわけがないでしょう。大したことはない。いや、本当に」。リーマン危機で2割減収のトヨタは4610億円の赤字にまみれた。03年8月期、3割減収のユニクロは470億円の経常黒字だった。

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