シリーズ、勝つのは阪神かソフトバンクか 神様直伝!短期決戦で相手を圧倒する秘策
その〝神様〟による日本シリーズの戦い方の1つに「短期決戦は、ほめて勝て!」という教えがある。144試合のペナントレースと、7試合制の日本シリーズでは戦い方が違ってくる。
なぜ、短期決戦では必要以上にほめるべきなのか?
「長いレギュラーシーズンは叱って学ばせるものだが、日本シリーズのような短期決戦ではほめて戦わせる、それがチームのムード作りにつながっていく」
V9の中心にいたのは長嶋茂雄と王貞治だったが、川上さんは2人の指導術を使い分けながら育てたという。
シーズン中の場合は、その選手の将来性を考慮して厳しく戒める。しかし、日本シリーズ初戦の大事な場面でミスをした選手を叱りつければ、その部下は萎縮してしまって立ち上がれない。
だから、多少のミスには目をつぶって、好プレーした選手には、シーズン中以上にほめて、気をよくさせて、さらに結果を出させる。それがチームに弾みをつけることにつながっていくというのだ。
また短期決戦ではデータを重視する傾向が強い。しかし、川上さんは「基本的な特長、クセを知ることは必要だ」としたうえで、「資料にこだわるより大事なのは精神力や気迫」と言い切った。
ソフトバンクは9月中盤以降1勝9敗と苦しみ、シーズン最終戦でオリックスを破ってリーグ優勝、CSでは3位日本ハムとアドバンテージの1勝差で勝ち抜いた。
一方の阪神は、広島に0.5差で、広島が最終戦で敗れたため、タナボタのシーズン2位だった。だが、CSファイナルステージでは、シーズン7ゲーム差をつけられた巨人に、4連勝で勢いに乗った。
チーム力ではほぼ互角。どこまで投打にテンションを上げて戦えるか。秋山、和田どちらの指揮官も細かい戦法・戦術を駆使するタイプではないが、「川上イズム」にみるように、レベルの高い選手の操縦術が明暗を分ける。
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