シリーズ、勝つのは阪神かソフトバンクか 神様直伝!短期決戦で相手を圧倒する秘策

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阪神・和田、ソフトバンク・秋山、短期決戦で勝つのはとちらの監督か?(写真:岡沢克郎/アフロ)

虎か、鷹か―。2014年のプロ野球の頂点を決める日本シリーズが火ぶたを切った。阪神とソフトバンクの対決は1964年の南海ホークス、2003年のダイエー時代に続き3度目。いずれも阪神が3勝4敗で敗退している。

パ・リーグを制したソフトバンク秋山監督は「特別な戦いはできない。今までやってきた戦いをする」、セ・リーグ2位でクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がった阪神和田監督は「勢いと流れをつかみたい」といった。

野球の神様が語った、「監督の器」とは?

あれから1年がたつ。巨人を率いて9連覇を達成した名監督、川上哲治氏が10月28日に1周忌を迎える。享年93歳。振り返れば、9年連続で日本一を成し遂げた名将が、日本シリーズ期間に生涯の幕を閉じたのも因縁めいている。

川上氏は1938(昭和13)年、熊本工から巨人に入団した。選手時代には「ボールが止まってみえる」といって〝打撃の神様〟といわれる。監督としては1965年から不滅といえる9連覇で巨人の黄金期を築き、戦前から高度成長期にかけて日本のプロ野球に大きな足跡を残した。

記者は御大が天国に旅立つ数年前から薫陶を受けてきた。長男の貴光さんからは「父親と真剣に野球の話をした最後の記者になりましたね」といわれるほどリスペクトしてきた。

その川上イズムを学び続けてきて、もっとも胸に響いたのは「監督の器は人間の器だ」という言葉だ。

川上さんは野球の技術だけでなく〝野球道〟として人を説いた。王貞治氏は「ONがいたから9連覇ができたというが、川上さんがいなければ実現できなかった」、楽天監督だった星野仙一氏は同じ背番号「77」を背負い続ける。阪神日本一監督の吉田義男氏は「威厳を感じた」と振り返り、中日落合博満GMも「最強監督は川上さん」と認める孤高の存在だった。

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