堀江貴文氏に聞く、「家族」と「会社」の意義 なぜ人は組織におさまりたがるのか

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――何を恐れているんでしょうか。

特にソーシャルメディアの時代になって、「炎上」っていう言葉が出てきたじゃないですか。今は批判されること自体がすごく怖いんじゃないですか。テレビ局でも、僕がテレビに出ているのを見たいって言う人がある一定数いますけど、「なんで堀江みたいな犯罪者を出すんだ」みたいなクレームもいっぱい来るんですよ。今は少なくなって来たほうですけど、あるのはあるんですよ。彼らはそれに対応するのが面倒くさい、嫌なんですよね。

かといって僕には何も言わないんですよ。オブラートに包んで断ってきたりする。例えばスポンサーにNGが出ましたとか言って。

――堀江さんにしたら、そういうのもよくわからないって感じですか。

うん、何怖がっているんだろうって。死ぬことに比べたらなんだってできますよね。僕はずっと死についてつねに考えているんです。とりあえず死にそうな場所には近寄らないようにしています。そういう人間です。

自由になるための一歩

――今回の本を読んで思ったのは、2000年代から堀江さんのおっしゃっていることが変わっていないのがすごく印象的でした。

そうですね。確かに、全然、変わっていないですね。別に変わる必要もなかったので。時に人は、みんなは何のために生きているのかと、まあ人それぞれでしょうけど、思いますね。

――東洋経済オンラインでは、年齢がらみの話は関心が高いです。40歳の年収はいくらぐらいが普通かとか。

年齢……何ですか、それはって思っちゃいますね。

――年齢で、生き方の変化を迫られるからでしょうか。40歳以降の働き方といったテーマもニーズがあります。だんだん現場から離れる年齢になって、好きな仕事ができなくなるので、どうするかといったような。

もうだから、会社とかに縛られなきゃいいんじゃないですか。なんか会社にいる意味ってあるのかなって、最近、思いますね。会社にいるとクビになるかもしれないじゃないですか。(会社にいても、いなくても)どっちにしろ(リスクはあって)一緒じゃないですか。頭いいやつでも、会社にけっこう残っていたりしますからね。不思議ですよね、これわからないんだよなあ。

――そんなふうに自由に生きたいなと思います。

なれますよ。それは自分の心掛け次第なんで。僕は好きなことをやって生きているからかなあ。

――自由になるための最初の一歩って、何が必要だと思いますか?

何かやってみることじゃないですか。何でもいいから。家に歩いて帰ってみるとか。何でもいいんですよ。何でもいいと思います。

(構成:江口和孝、撮影:大澤誠)

 

吉川 明日香 東洋経済 編集者

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よしかわ あすか / Yoshikawa Asuka

早稲田大学商学部卒業後、2001年に東洋経済新報社に入社。記者として食品、建設、精密機械、電子部品、通信業界などを取材し、『週刊東洋経済』や『会社四季報』等に執筆。2度の産休・育休を経て復帰。2012年秋の東洋経済オンラインリニューアルより、同編集部。2016年4月から東洋経済オンライン副編集長、2020年10月から東洋経済オンライン編集長。2023年4月より編集部担当部長。

 

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