以上、3つのカテゴリーの「岸田リスク」は、いずれも岸田内閣が向こう1年半以上継続することを前提としている。では、岸田内閣が短命に終わる可能性はないか。
1つには、夏の参議院選挙で自民党が予想外の敗北を喫することはないか。現在の野党の状況を見るとその可能性はなさそうに見えるのだが、1つの要素として注目できるのは、現在参院選の選挙協力で自民党との全面的な合意ができていない公明党との関係だ。
公明党およびその支持母体である創価学会の協力なしに当選できない自民党候補は一定数いるにちがいない。
「小泉コミュニケーション担当」首相なら魅力的
仮に選挙協力が不調に終わって、自民党候補が戦前の予想以上に落選した場合に何が起こるか。さすがに、衆参の「ねじれ」が起こるほどに負けないだろうが、岸田政権は弱体化する。ほどほどの負けは、安倍晋三氏、麻生太郎氏、菅義偉氏、二階俊博氏といった、「岸田政権の主流ではない政治的実力者たち」にとって好都合だろう。
加えて、注目できるのは、公明党にとっても、同党の協力がなければ自民党が選挙で苦労することを示すことは、自分たちの価値をつり上げて、政治的影響力を増す効果があることだ。
仮に、参院選の敗北などで岸田政権が弱体化したときに、自民党内で「政局」は起こるだろうか?政治の世界のことなので予測はできないが、例えば、菅前首相は「いま、おれに対する世論の反応は悪くない」と周囲に語っているらしい(『朝日新聞』2月22日)。
さすがに、菅氏のすぐの再登板は考えにくいが、小泉進次郎首相、菅副総理兼官房長官、河野太郎厚労大臣、林芳正外務大臣、といったラインナップなら、なかなか魅力的に思える。派閥力学的には、安倍晋三氏を副総理で遇するといいのかもしれない。
河野氏と菅氏は、いずれもビジネスの世界で言うマイクロ・マネジメントのタイプなので、2人で首相、副首相を分け合うのは不向きに思える。首相だがコミュニケーション担当の扱いで小泉進次郎氏を担ぐのがいいのではないかと提案しておく。「ポエム」を封印して頑張って欲しい。河野太郎氏には、課題満載の官庁である厚労省の根本的な改革を是非期待したい(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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