「受験に英語がない国」で話せるようになった方法 「英語が怖い人」に教えたい緩やかな学び方

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今でこそ、笑い話のように感じるのですが、当時は真面目にそんなことを考えていました。幼稚園の先生にお願いして、ギリシャ語のアルファベットの下に英語のアルファベットを書いてもらって1人で勉強したものです。

ギリシャでは小学校に入ると英語の授業が始まります。私が子どもの時は、小学校4年生から英語の授業がありました(今はもっと早い学年から英語の授業があるそうです)。勉強が進むにつれて、だんだんと読めるようになったり、聞こえるようになったりしてきます。すると、テレビで英語の番組を観ていても字幕を読むのが億劫になってきます。なので、より一層英語の勉強に熱が入りました。

中学生・高校生くらいのときには、『ハリーポッター』や『ロードオブザリング』を英語で読んでいました。以前の記事でも紹介しましたが、ギリシャ人は列に並んで待つのが苦手です。私も待つことは苦手ですが、『ハリーポッター』の新刊が発売になる日には、本屋さんが開店する前からずっと待っていて、開店と同時に買うくらいハマっていました。インターネットで予約できる現代では考えられないことですね。

このほかにもBackstreet BoysやWestlifeが好きだったので、彼らの曲を聴いたり、彼らの載っている雑誌を読だりしました。さすがに近所では売っていなかったので、アテネの中心まで行って買っていました。

こうして英語を学んだ私にとって、初めてロンドンを訪れたときのことは今でも鮮明に覚えています。キングス・クロス駅のプラットホーム9 3/4には感動したし、街を歩いていると『メリーポピンズ』の世界に迷い込んでしまったかのような感覚になりました。とてもよい思い出です。

TOEICのように点数が細かく出るテストは自分がどの程度成長したかを図る指標としてはとてもよいと思います。頑張って勉強して点数が伸びれば嬉しいと思うし、成長を実感することもできます。

しかしながら、英語が苦手な人にとっては他の人と比べてしまって自分に自信が持てなくなってしまったり、頑張っているのに点数が伸び悩んでつらくなってしまったり、ということも起こりそうです。

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