「受験に英語がない国」で話せるようになった方法 「英語が怖い人」に教えたい緩やかな学び方

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この「アレルギー反応」がどこから来ているのかを考えると、やはり学校教育が思い当たります。日本は高校受験や大学受験で、英語がテスト科目として定められていますよね。特に大学受験では、英語の比重がとても大きいと聞きました。

以前、夫が大学受験のときに使っていた参考書を見たことがありますが、文法の問題が大量に載っていて、しかも文法的に非常に複雑な問題ばかり。また、長文を読む問題も、難しい単語が多くて驚いたことを覚えています。こんな難しい英語をやっているのに、日本へ行くと、英語が苦手どころか、「嫌い」「怖い」というような反応をする人が多いのに驚くのです。

筆者が住むギリシャでは、大半の人が公立の学校に進みますが、高校までは入学試験がないので、だいたい徒歩で通える範囲の学校に行きます。大学受験が初めての大きな試験になりますが、試験科目に英語は含まれません(外国語学科に進学する人は受験する必要があります)。小学校のうちから英語の授業はあり、また第二外国語の授業もあります。ですが、大学の入試科目ではないのです。

もちろん、ギリシャにも外国の大学や大学院に進学したい人や、外国で就職したい人、外国語を使って仕事をしたい人が多くいるので、英語はもちろん、フランス語やドイツ語を勉強している人は多いです。

でも、そういう人が受けるのは、英語であればTOEFLやIELTS、ケンブリッジ英検など。大学から外国に行きたい人は、高校生のうちにC2レベルの試験をクリアします。大学院の進学には語学の能力を示す必要がありますので、大学生になると多くの人が試験を受けます。

ギリシャはこうした感じなので、テストのために英語を勉強するという感覚はありません。机に向かって難しい単語や文法を覚える勉強をするといったことは、外国語で仕事などをしたい人以外はないのです。

私の場合は、日本語を勉強していたときと同じように、テレビを観たり、本を読んだりして英語を勉強しました。もともと話すのが好きな性格ということもありますが、小学校に入る前にはすでに、英語を理解したいと思っていました。テレビに出演している人と友達になりたかったからです(笑)。

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