嫌われ者のインフレを「金鉱」に変える人たち インフレトレードにかけるウォール街のトレーダー

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買い手不在となりトレーダーは大規模損失出すリスクも

ただ並外れて大きいリスクもある。英ポンド建ての市場は巨額損失を出す可能性のある投資を意味する「ウインドーメーカー」として知られる。人材紹介会社シャドーハウンドの創業者キャニス・ホーガン氏は、経済情勢が半ば危機のような状況になった場合に買い手が取引を敬遠し、トレーダーは大規模損失を出すポジションから抜け出す手段がなくなることがあり得ると指摘する。

また英市場は小規模で専門化されているため、数人が転職のため不在となっただけで取引相手を見つけにくなることもある。ホーガン氏によると、ウォール街やロンドンの銀行やヘッジファンドは採用を進めているが、複雑な度合いを強める業界でスペシャリストの数は限られている。

インフレトレードは気弱な人向けの市場ではなく、誰もがいつも成功するわけでもない。ただこうした試練を乗り切れる人にとっては、エネルギー高とサプライチェーン問題であらゆるコストが上昇する中でインフレが結果的に「金鉱」になっている。

インフレトレードの一例としてはゼロクーポン・インフレーション・スワップとして知られるデリバティブ(金融派生商品)が挙げられる。売り手に固定金利を支払い、米消費者物価指数(CPI)などの指標に連動した変動金利を一定期間を経て受け取るものだ。元インフレトレーダーで現在はコネティカット州に拠点を置くワン・リバー・アセット・マネジメントで20億ドル余りの運用に携わるリンゼー・ポリティ氏によれば、1年前に12カ月のスワップを購入していた投資家の場合、現時点で5%余りのもうけになるという。

ゴールドマンの広報担当者、セバスチャン・ハウエル氏はコメントを控えた。チョラリア氏はインタビュー要請を断った。バークレイズとモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースの広報担当者であるマット・スカリー、トム・ウォルトン、リチャード・ヒラリーの各氏もコメントを控えた。

 

 

 

 

原題:

A Niche Corner of Wall Street Is Making Billions on Inflation(抜粋)

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著者:Donal Griffin、William Shaw

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