南場智子・DeNA社長--ソーシャルゲーム・プラットフォーマーとして世界を獲る
タイトルの露出のさせ方などは、表向きの基準からすると内製ゲームより他社ゲームを優遇した状態にしている。なるべく他社の収益機会が増えるようにするためだ。だが、言葉で言うのではなくて、実際に他社にたくさん儲けていただくしか、プラットフォーマーとしての姿勢を示せないだろう。そうした状態になることに会社を挙げて取り組んでいきたい。
--米中を中心に海外事業を強化しているが、FaceBookなどすでに強敵がいる。
海外でのディー・エヌ・エーのプレゼンスは急速に高まっている。その意味で、出資や提携などグローバル展開に打って出る機は熟している。
ソーシャルゲームの市場については、FaceBookのようにリアルなソーシャルグラフを持ちこむ必要性は強く感じない。日本でFaceBook型のミクシィより、モバゲーの方でゲームを楽しんでもらえているのは、リアルの友人関係に縛られないで遊べるから。
われわれはゲームを楽しんでもらうことに注力しているので、リアルの友人関係を持っているかどうかは関係なくて、ゲームの中だけでつながればいいのではないか。
それに、リアル型だと何をやっているかバレバレじゃないですか(笑)。子供とかに「おふくろはこんなことに時間を使っているのか……」とか、「○○ちゃんのお母さん、ゲームレベルがすごく高いね、、そういえばお弁当はショボいよね…」とか言われかねない。そういうことを考えると、リアルな関係ではなくて、ゲームだけでもう少し緩くつながっていてもいいと思う。
日本でモバゲーとミクシィが棲み分けられるように、FaceBookと、当社が運営するゲーム向けモバイルプラットフォーム「ミニネーション」はちゃんと棲み分けられるのではないか。
英語圏のモバイルでは、有力なゲームコミュニティのプラットフォームはまだない。現在、ミニネーションを強化するため、ゲームアプリの企業に対して、買収したり、出資したりしている。海外展開はそれなりの投資規模にはなるが、それでもまだ未開の市場であり、効率よく展開できると考えている。