南場智子・DeNA社長--ソーシャルゲーム・プラットフォーマーとして世界を獲る
--足元のソーシャルゲーム市場自体も競争が激しくなっているが。
ゲームは最初に作って終わりじゃなくて、ゲーム内のイベントとかをやることで利用者のアクティビティレベルが変わる。こうしたイベントとアクティビティレベルや売り上げの関係というのは、客観的なデータで分析できる。データとにらめっこしながら試行錯誤を繰り返すことでパフォーマンスに大きな差が出る。
鳴かず飛ばずのタイトルが、ちょっと操作性を変えたことで一気に人気化したこともあり、競争うんぬんという前に発展途上のこの市場ではまだやることがたくさんある。
--自社で人気タイトルを運営しつつ、プラットフォームも強化している。両者のすみ分けは。
自社の内製ゲームは、四半期に3タイトル出して1つ脱落するくらいのペースだ。重視しているのはプラットフォーム。内製はあくまでプラットフォームを豊かにするためで、自力でそれができること示すため。内製ゲームで培った成功のノウハウをゲーム会社に伝達する役割もある。現在、怪盗ロワイヤルを作った担当者をプラットフォームの責任者に充て、ゲーム会社へのノウハウ提供を強化しているところだ。
ゲームのアイテム販売の収益はもちろん重要。しかし、個別のゲームタイトルは当然、はやり廃りはある。大量のゲームを揃えられれば安定するかもしれないが、やはり、直接、ユーザーとの接点を持っていて、場のルールを決めるプラットフォームのほうが強い。安定的で発展性もあると感じている。ゲームそのものにははやり廃りはないと思う。
--ゲーム会社からは(プラットフォーム側の)内製ゲームにはかなわない、という声もあるが。
プラットフォーマーとしてゲーム会社を支援したいという考えが理解を得られていないなら、われわれの努力不足だろう。