民主党政権「脱官僚」というウソ、国民の期待を裏切る天下り規制の骨抜き


 3番目の、専門スタッフ職の新設は、次のポストがない部長、局長経験者などを遇するためにひねり出された仕組みである。すでに出世コースから外れた課長級以下のための「専門スタッフ職」があるが、その上位版である。高齢のキャリア官僚に年収1000万円以上を保証するこの仕組みは、官僚の既得権拡大と評されても仕方ないものである。

そして6月の「基本方針」を具体化するために、すでにいくつかの措置が講じられている。

7月、企業に出向していた期間も退職金の算定対象となるよう政令を改正し、その対象となる企業を追加した。これによりNTTグループや日本郵政グループ、JR、高速道路会社などへの出向は、公務員在籍と同じに見なされる。

8月には人事院規則を改正し、これまで部長・審議官以上の幹部は所属する省庁の所管業界へは派遣できなかったのを、部長・審議官は担当する局の所管業界へは派遣できない、に変更した。つまり局長級は従前ルールと変わらないものの、部長・審議官は直接担当する局が違えば、その省が所管する民間企業にいくらでも派遣できるようになったのだ。

さらに癒着防止のためには、民間企業への派遣終了後の再就職を禁じるべきなのに、役所に戻って定年退職した後なら再就職を認め、勧奨や自己都合退職でも一定の範囲でこれを認めてしまった。これでは中高年の職員は企業に派遣されている間に当該企業と密約をして、退職後に雇用してもらうことも可能となる。

人員減や人件費費減を具体的に打ち出せず

公務員制度改革をめぐる最大の問題は、公務員は国民のために仕事をしているという信頼が国民の間では完全に失われていることだ。この信頼がないまま、たとえば増税のような痛みを伴う大きな改革は実行できない。昨年、総選挙で圧勝した民主党への国民の期待は、官僚に対する失望の裏返しでもあった。公務員を国民のために働く集団に変えることは最優先課題であるが、実現の道筋が見えない。

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