民主党政権「脱官僚」というウソ、国民の期待を裏切る天下り規制の骨抜き


 キャリア組だけでなく、ノンキャリア組も含め、50歳近くになれば800万~1000万円前後の年収を得ている公務員はたくさんいる。一方で年間200万円の支援があれば生活が助かる民間失業者もいる。たとえて言えば、民間の失業者5人を助けるのか、官の失業者1人を助けるのかという設題である。両方を助ける財源はない。どちらを助けるのが正義か。公務員は自ら問うて、答えを出すべきだ。

公務員の人件費2割削減を実現するには、人員で10~15%カット、給与も10%程度はカットせざるをえない。こうしたことは数値目標を決めて果断に行うほかない。公務員リストラ法の制定も必要である。
(本稿はすべて筆者の個人的見解である)

こが・しげあき
1955年生まれ。80年通産省入省。産業組織課長、産業再生機構執行役員、中小企業庁経営支援部長などを歴任。昨年12月まで国家公務員改革本部の審議官。現在は経産省大臣官房付。

■Column■「官房付」という塩漬け人事 過激すぎた改革派官僚

古賀茂明氏は昨年12月から経済産業省大臣官房付というポストにある。大臣官房付は異動待機ポストであり、9カ月もここに留め置かれるのは異例のことである。古賀氏はそれまで国家公務員制度改革推進本部の審議官として、事務次官廃止を主張するなど改革派官僚の筆頭と目されていた。
 
 「脱官僚」を掲げる民主党政権が成立した昨年9月、仙谷由人行政刷新担当相(現官房長官)から、大臣補佐官への就任を打診される。事務次官の廃止や、省庁・各局の柔軟な統合、天下りの全面禁止などを古賀氏は進言する。ところが最終的に古賀氏の補佐官就任は見送られた。あまりに大胆な提案に官僚組織の総本山、財務省から強い反対が出たためだという。日本郵政の社長に齋藤次郎元大蔵事務次官が就くことが決まったのは10月であった。

古賀氏はこの6月、『週刊エコノミスト』に実名で論文を寄稿し、民主党政権の公務員制度改革を批判した。この時点では「退職管理基本方針」は閣議決定されていなかったが、天下り促進策となっているのは、今回の小誌寄稿論文のとおりである。

エコノミストへの寄稿と相前後して、経産省から、まさに古賀氏が問題視する「民間企業への派遣」という形で、退職勧奨を受けた。霞が関関係者によると現在より年収アップの好条件を示されたという。古賀氏はこれを断り、官房付として今に至っている。菅新内閣の大畠章宏経産相が古賀氏をどう処遇するか注目が集まっている。(週刊東洋経済編集部)


(週刊東洋経済2010年10月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。 写真はイメージです。本文とは関係ありません。
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