コロナで「売れた」「売れなくなった」商品トップ30 オミクロン株による感染爆発前夜にどう動いたか

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それではコロナ時代の「新3種の神器」はどうなったか。マスクは前年比97.6%とおおむね横ばいだが、手指消毒剤は42.0%、非接触型体温計は20.9%と、下位ランキングのほうの上位に位置している。が、2019年比で見れば、マスクは215.0%、手指消毒剤は242.0%、非接触型体温計は297.2%と、コロナ前に比べればまだまだ売れている。

マスクは1枚あたり平均単価が最高60円

マスクについては、今回インテージから通常データに加え、興味深いデータの提供を受けた。販売枚数と1枚あたりの平均単価のデータである。

通常提供してもらっているのは、販売金額の前年同時期比のデータ。これに販売数量のデータ、それにマスク1枚あたりの単価を重ねてグラフ化してみた。

2020年の3月までは、販売金額も枚数もおおむね同率で伸びていたが、4月に入ると販売金額の伸びが、数量の伸びを大きく上回っている。価格が安い中国製は引き続き入荷せず、価格が高い国産品が出回り始めた影響だろう。

マスク1枚あたりの平均単価の推移を見ると、コロナ前は18.5~20円前後だったものが、2月中旬あたりから急上昇。4月27日週の60.3円でようやくピークアウトした。

それでも40円を下回ったのは9月に入ってから。11月に入って30円を下回った。20円台前半に落ち着いたのは昨年8月だ。今もコロナ前の水準よりは3~4円ほど高い。

枚数の伸びと販売金額の伸びの差は平均単価の差だから、枚数の伸びと販売金額の伸びが一致してくるのは2021年の1月頃だ。

この結果は読者諸氏の肌感覚とは一致しないのではないかと思う。1箱50枚入りの不織布製の使い捨てマスクが、アマゾンで1箱7000~8000円もしていたのは、2020年3月から4月にかけてのほんの一時期だ。

ゴールデンウイーク前ころから値崩れが始まって、6月ごろにはあちこちで投げ売りされるようになった。街角や八百屋の店先など、普通なら置いていない場所に中国製の、それも粗悪品のマスクが次々と出現したことはご記憶だろう。

その肌感覚とこのデータの違いは何か。原因はスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、もともと正規ルートで仕入れたものだけを扱う店舗で集計したデータだからだ。1枚あたりの平均単価も最高で60円。アマゾンで売っていた1箱8000円のマスクは1枚160円だった。

あの騒動から間もなく2年。今では高機能を謳う製品も多数出回っている。平均単価がいまだにコロナ前よりも若干高いのは、コロナ前には多くなかった高機能マスクが、一定の市民権を得たからなのかもしれない。

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