東京23区の人口減「テレワークで移住説」は本当か 25年ぶりに23区の「日本人人口」が転出超過に
データ上はもっとも23区への転入が多い若者層でも「大学がオンライン授業ばかりになったからアパートを解約して実家に帰った」とか、「バイトがなくなり23区内から私鉄沿線の郊外に引っ越した」といった声も聞く。このほかにも都心からの転居には、さまざまな事情があるだろう。
2021年1年間に東京23区から人口が流出したのは紛れもない事実だ。しかし、その一方でタワマンをはじめ新築マンションが年間に1万3000戸以上も販売され、22年の予測はそれを上回る。そして結果として、コロナ前と比べた23区の日本人人口は、依然として減少には至っていない。今年に入り感染拡大が続くなかでも、テレワーク実施率は低下傾向にある。
「都心を去る人」には2種類ある
「テレワークで移住進む」といった分析は、働き方改革や東京一極集中是正を掲げる政府にとっては、なんとも耳当たりのいいものである。しかし、現実はそんなに甘くはない。テレワーク環境が整備された企業で働き、都心から離れても生活できる人と、もはや暮らしていけないから都心を離れざるを得ない人のどちらが多いのか。今後の人口対策、少子化対策のためにもきちんとした分析、検証が必要だろう。
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