ドクターホワイト「浜辺美波」がドハマりする理由 彼女にしかできない役どころがドラマ最大の魅力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

浜辺演じる白夜は、アニメの美少女のムードを生身で再現するという高度なところに挑んでいるのである。漫画の実写化なんていくらでもあるから、別に珍しいことではないと思われるかもしれないし、たしかにジョジョ立ち完コピ凄いということもあるのだが、アニメキャラの佇まいの独特の美意識は生身の人間では容易に再現できるものではない。しかも見本として先行するアニメや漫画があるわけではない作品で、この手の表現をやれる浜辺はかなりの手練と言っていい。

若い世代の共感を獲得できそうなドラマだから第4話まで見た時点で夜20時台や遅くとも夜21時台くらいに放送したほうがいいのではないかと筆者は思った。でも最近はリアルタイム視聴ではなく配信で見る人が増えているから時間帯はいつでもいいのかもしれない。あるいは今後、夜22時に放送するにふさわしいダークな内容がはじまるのであろうか。

単なる1話完結ドラマではないことも匂わせる

基本、ヒューマンな1話完結もので見やすくなっていて、続けて観てもたまに観ても基本設定さえ押さえておけば誰でもついていけるが、それプラス、白夜の正体に関する謎と陰謀渦巻く高森病院の経営問題などが複雑に絡み合っている。ジャーナリスト役の柄本佑と麻里亜の兄で失踪中の医師役の毎熊克哉が幾分違うムードを醸し、単なる1話完結ではないことを匂わせている。原作は「金田一少年の事件簿」シリーズの漫画原作をはじめとして、ミステリーものを多く手掛けている樹林伸なのでエンタメとして間違いはないだろう。

何もしないで無垢な白夜ではあるが、ふと見せる表情はぞくりとするほど端正である。あどけない子供が神の使いであったというような神秘性を出せる浜辺美波の、今しかきっと見ることのできない貴重な時間をリアルに見ておいて損はない。

(文中敬称略)

木俣 冬 コラムニスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きまた ふゆ / Fuyu Kimata

東京都生まれ。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事