ドクターホワイト「浜辺美波」がドハマりする理由 彼女にしかできない役どころがドラマ最大の魅力

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知性は欲しいが頭が良すぎて近寄りがたいムードではなく取り付く島がある。浜辺美波は「お人形感と生々しさ」「あどけなさと知性」ふたつを行き来している。いまどきそんなルッキズム感と女性に対する一方的な理想にあふれたドラマを作るとはいかがなものかと眉をひそめる人もいるであろう。それをヒューマンドラマということにして堂々とやっているところがなかなかたくましいドラマである。

表向きは、白夜の無垢さが病院の危機を救う話になっている。白夜の特殊能力に目をつけた院長は患者の症状から正しい病名を協議のうえで判別する“総合診断協議チーム(CDT)”に参加させる。そこには内科医、皮膚科医、脳神経外科医、精神科医など専門医がいた。

浜辺演じる白夜が専門診断チームを結束していく

CDTの面々は優秀だが幾分個性が際立っていて、最初は寄せ集めのバラバラ感があったが、次第にそれぞれの個性や才能がうまく機能するようになって判断の難しい治療に当たっていく。CDTの結束が強くなっていくきっかけが白夜である。彼女が次々と発見していく患者の病の真実が医者たちのプライドに火をつける。

こうして各回、CTDのメンバーたちは困難な症状に向き合っていく。……という概要は、TVerで配信している赤ペン瀧川による「2分で振り返る『ドクターホワイト』」を見ればすぐ理解できる。赤ペン瀧川のまとめ力が凄いのかもしれないが、本当に2分で十分なくらいのシンプルなドラマなのである。余計なお世話だが「2分で振り返る」を観てしまうと本編を観なくていい気分になるため逆効果な気がしないでもない。

それはさておき、例えば、第3話では患者である少年に白夜が覚えたての「かっこいい」という概念をCDTの面々に当てはめて紹介、胸を熱くさせる。第4話はCTDの研修医・佐久間(高橋文哉)の恩師(橋爪淳)が余命わずかと宣告されるも延命治療はしないで自分らしく余命を全うしようとしその顛末は涙ものだ。「きゅん」という概念を白夜が知る場面もあり、脚本家の苦労が偲ばれる。

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