読書しまくる人とまるで読まない人に生じる大差 欧米の外交やリーダーと交渉するには何が必要か

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リーダーシップ論の第一人者コッターは、リーダーの条件として、賛同し後に続く「フォロワー」とのコミュニケーション能力の重要さを指摘しています。ここで言うコミュニケーション能力とはグループをまとめ、目標に到達するために、人を動かすための言葉を使う能力です。フォロワーに課題を認識してもらい、解決の最適法を共有し、進むべき指針を示すための説得術となります。

この基本戦略は、ギリシア時代にアリストテレスが、修辞学(レトリック)として体系化し、伝統的に西洋の大学の最も重要な科目として学ばれています。オックスフォードの学生も、哲学などの科目を通して、コミュニケーション戦略を身に付けます。

前提は、多読による根本概念の理解となります。これまでの英知を批判的にとらえ、独自の見解を持ち、権威者と討議を行います。そして最後に論文を執筆することにより自分独自の概念を身に付けるのです。論文とは、伝える内容に明確な根拠があり、だれが読んでも同じように読める客観性の高いものです。論文が適切に書けると、多くの人を納得させ、最適な行動について説得できるのです。

これがオックスフォードで12世紀から続く、リーダーシップの学び方です。

オックスフォード大学には、いくつ図書館があるのか

世界から優秀な学生が集まるオックスフォード大学は、Times Higher Educationの「世界大学ランキング」で2022年まで7年連続で世界1位です。その秘密は優れた教育環境で、特に図書館の充実です。この大学には、いくつ図書館があるかご存じですか。

答えは、101以上もあり、その中心はボドリアン・ライブラリー(Bodleian Library)です。1610年にロンドンの書籍出版業組合と、「登録したすべての書物のコピーをこの図書館に収蔵する」ことを合意します。やがてこれが、「登録していない物は、複写できない」という、出版者の権利を保障するコピーライトの起源となります。

以来、本は自動的に増え続け、今は1300万点以上の書籍と400名以上の職員がいます。なぜ、それほどまで書籍が重要なのでしょうか。実は、将来の困難な問題に対処するには、多読によるインテリジェンスの構築が必須なのです。

インテリジェンスとは、ただ理解している知識でなく、新たな問題に直面した際に実際に使える技能です。オックスフォードで最も人気のある哲学・政治・経済学科のPPE(Philosophy、Politics、Economics)の学び方を見ていきましょう。

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