円安・低成長「日本」とウォン高・高成長「韓国」の差 「下がり続ける円」が本当に意味するところ

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国内総生産(GDP)の数字だけを気にしているなら、あるいは原因のいかんにかかわらず緩やかなインフレはいいことだと考えているなら、黒田総裁が正しいように見えるかもしれない。筋肉が萎縮した怪我人は、なおさら松葉杖が必要になる、というのとまったく同じロジックだ。

しかし、怪我人が松葉杖不要の身体を取り戻すのに本当に必要なのは、理学療法だ。それと同じように、日本には経済再編が必要なのだ。円安は、国内の弱さ、そして海外での競争力の低下を反映している。以下に詳しく述べる通り、韓国はウォン高となっているにもかかわらず、日本より速いペースで成長することに成功している。

戦後最長となる消費の低迷

安倍首相と黒田総裁の時代、国内の需要は極めて低迷しており、その中で日本はわずかな成長を実現したものの、その成長も大部分が財政支出と純輸出額(輸出額から輸入額を差し引いたもの)の上昇に依存している状態だった。

2回の増税と輸入に大きく頼る品目の物価上昇によって実質の(物価調整後の)家計所得が押し下げられていたため、このような人工的な刺激が必要な経済状態だったのだ。その結果、安倍首相と黒田総裁の7年間で、個人消費は実際には1%低下。これほど長期間にわたる低下は戦後初めてのことだった。

円安になると、輸出企業は海外市場で価格を下げることができるので、輸出額を増加させることはできる。例えば、トヨタが1台200万円で車を売れば利益が出るとしよう。1ドル100円だと仮定した場合、その車は海外で、2万ドルで販売されることになるが、円安が進み1ドル120円になれば、トヨタは海外での販売価格を1万6667ドルまで下げても、その車を1台売れば200万円を受け取れるし、販売台数も大幅に増えることになる。

円安が大きく進むにつれて、輸出がGDP成長を押し上げる最大の要因に躍り出た。2014年第1四半期から2019年第4四半期(コロナ禍前)で、日本のGDPはわずか7.2兆円の成長(年成長率わずか0.2%)にとどまった。しかし、純輸出額は10兆7000億円と、それを上回る成長を見せた。言い換えれば、外需がなければ、この期間でGDPは低下していたということなのだ。

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