「成功=幸福と考える人」が知らない本当の幸福 幸福と幸福感は違うものだという事実
B:「いいね」をもらうことや、幸福に見られることが幸福だという人もいるのではないでしょうか?
――矢野顕子の歌に「Happiness」というのがあります。幸せそうに見えた彼女に取って代わったけど、少しも幸せでなかったという歌です。高級車に乗ったり、立派な家に住むのは、それ自体が幸福というよりも、幸福であるための手段です。そして、実際にそうすることで幸福になれるかはまた別の問題です。
たとえば、一般的にお金を稼ぐことは幸せになる手段とされていますが、お金をたくさん手に入れたために身を持ち崩す人もいます。反対に、お金がなくても慎ましく生き、そのように生きることに幸福を感じる人もいます。
C:だけど、他者からどう見られたいとかではなく、美味しいものを食べたり、娯楽を堪能したら、単純に幸せな気持ちになれますよね。それにはやはりお金が必要になってくると思うのですが……。
――美味しいものを食べたら満足でしょう。でも、その満足感を得るためだけに生きているわけではありません。一瞬の幸福感のためにお金を稼ぎ、成功を目指すというのは本末転倒です。
未来のために、「今」をないがしろにしない
C:成功と幸福は両立できないのでしょうか? どちらかというのは、あまりにも極端で、現実的ではない気がします。
――今、あなたは成功していますか?
C:一応の夢は叶いましたが、成功したとはいえません。
――どうなると成功したといえるのですか?
C:僕なら会社で出世するとか、仕事で結果を出すとかです。
――それでは、今は幸福ではないのですか?
C:まだ成功していませんから。
――幸福ではない?
C:……まったく幸福でないとはいいませんが、自信を持って「幸福です」とまではいえません。