「成功=幸福と考える人」が知らない本当の幸福 幸福と幸福感は違うものだという事実
私の父が病気で、長く家で療養していたことがありました。それまでは、昼間は家にいなかったので最初は慣れなかったですが、家族が一緒に過ごせるのは嬉しかったです。成功すれば、本当に幸福に生きられるのか考えなければなりません。
若い人で常識的な生き方をしてきた人が、今まで少しも疑ってこなかったけれど、思いがけないことから、「こんなふうに生きていていいのか」と悩むことがあります。
そのことをまわりの大人にいうと、「余計なことは考えなくていい、とにかく今は受験勉強をしていればいい」などといわれます。多くの親は「成功すること」が人生の目標だと考えています。親が子どもに一流の大学に行けというのは、子どもを成功させたいからです。
でも、ここでは「幸福であること」が目標です。世間では、成功することが幸福であるための手段とされています。しかし、それが本当かはわかりません。
親が反対しても、自分の人生を生きていい
A:幸福に生きたいから、成功はしなくていい、だから大学には行かないなんてことを親にいったら猛反対されるのでは? 普通の親は、ということですが。
――そんなのは無視したらいい。親は子どもの人生に責任を取れません。子どもも後になって、あの時親が反対したから本当にしたかったことを諦めたとはいえません。結局、選択するのは自分なので、親のせいにはできないのです。
A:でも、その選択が親に祝福されなければ、一生喧嘩をし続けることになるのではありませんか?
――親が反対したら、好きな生き方を諦めるのですか?
A:いえ、好きなことをして幸せになれたら一番ですが。
――だったら、自分の人生を生きればいいのです。親の人生を生きる必要はありません。
C:SNSで、何台も高級車を乗りまわしていたり、立派な家に住んでいる人の写真を見ると、とても幸せそうです。そんな生活をしてみたいとうらやましくなります。
――そういう人は「いいね」がほしいのでしょう。幸福で〝ある〞のではなく、幸福であると〝見られたい〞のです。他人から「すごく幸せそうね」といわれたいのです。でも、幸福に見えても、実際に幸福でなかったら意味がないでしょう。