マイクロン、上海の「DRAM設計チーム」解散の背景 中国企業の引き抜きによる技術流出を懸念か

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アメリカの半導体メーカーが、中国の研究開発拠点の役割を見直す動きが相次いでいる。写真はマイクロン・テクノロジーの上海オフィス(同社ウェブサイトより)

アメリカの半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジーが、上海の研究開発センターでのDRAM開発を中止することが明らかになった。1月25日、同社が上海のDRAM設計チームを解散するという噂が中国の半導体業界に広がった。その後、マイクロンは財新記者の問い合わせに対して、その事実を認めた。

マイクロンによれば、上海でのDRAM開発中止に伴う(人事や事務手続きなどの)移行作業は2022年12月までに完了する。研究開発センターでは100人を超えるエンジニアが働いているが、DRAM設計チーム以外の部門は影響を受けないという。

同社はDRAM以外にも、NAND型フラッシュメモリーやSSD(ソリッドステートドライブ)などの開発・製造を手がけている。マイクロンがウェブサイトで公開している情報によれば、上海研究開発センターの業務はそれらすべてのプロダクトラインをカバーし、半導体メモリーの回路設計からSSDの開発やテストまで幅広く担当してきた。

「われわれは引き続き上海研究開発センターの発展に努め、最先端のSSD設計センターとしての機能を維持する。DRAMに関しては、中国以外の研究開発センターで技術革新を継続する」。マイクロンは1月26日に公表した声明文でそう述べた。

AMDも上海の研究開発センターを縮小

「上海のDRAM設計チームは、マイクロンのグローバルなDRAM開発部門の一部分だ。今回の組織再編の前から、少なからぬ人数のエンジニアが中国の半導体メーカーに引き抜かれていた。転職者を通じて自社技術が外部に持ち出されるのを恐れたのではないか」。中国半導体業界の複数の関係者は、今回の動きについてそう分析し、次のように続けた。

本記事は「財新」の提供記事です

「マイクロンはすでに中国のNAND型フラッシュメモリーの設計チームも縮小し、アジアでの開発・製造の中心をシンガがポールに移した」

アメリカの半導体メーカーが中国の研究開発拠点の役割を見直す動きは、マイクロンが初ではない。ハイテク産業を巡るアメリカと中国の外交的摩擦が強まるなか、アメリカの半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も、上海の研究開発センターの縮小を表明。多数のエンジニアが転職を余儀なくされている。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は1月26日

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