感染爆発中でも北京五輪に期待できる5つの理由 「史上最も関心が低い」と言われつつも盛り上がる

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また、女子スキージャンプで高梨沙羅選手にとって最大のライバルであり「絶対女王」と言われるオーストリアのマリタ・クラマー選手が直前の感染によって欠場が決定。自身のSNSに「言葉も感情もない。ただ空虚です。世界は本当に不公平なんじゃないか? 昨年から五輪の準備をしてきたのに。夢を叶えるためにたくさんのエネルギーと時間を費やしてきましたが、今では夢が1日も経たないで消えたような感じ」と悲壮感あふれる言葉をつづりました。

ちなみに陽性判定を受けたスキー選手は、その後3日に2回の陰性が確認されて選手村に戻ったことが明かされました。同じ感染者でも、競技日程のタイミングによって出場と欠場の差が生まれるなど、不安定な要素が大きい大会であることは間違いありません。

これまでの大会と決定的に異なるのは、「無事に競技開催日を迎えられるのか」というシリアスなドラマがあること。また、「絶対に感染してはいけない」というプレッシャーにさらされる選手たちのパフォーマンスへの影響も考えられます。それがポジティブであれ、ネガティブであれ、見る人々の目にドラマティックなものとして映るでしょう。

東京五輪で手のひらを返した記憶

2つ目の理由は、東京オリンピックの経験と記憶。昨年の開催前は国内外で反対派が多数を占める厳しい状況だったものの、無観客での開催にこぎつけ、選手たちの奮闘によって感動を誘いました。

人々はモヤモヤとした気持ちを抱えたままテレビ観戦することになったものの、すぐに手のひらを返すように日本代表選手を応援しはじめ、期間中の話題はほぼ東京オリンピック一色。開催反対派だった人々が沈黙したほか、無関心だった人々を引きつけました。

そこから約半年しか過ぎていないのですから、もちろん当時のことを覚えているでしょうし、「東京オリンピックのときと同じようにコロナ禍を忘れて家で盛り上がろう」というムードが生まれるのではないでしょうか。

しかも今回は、「オミクロン株は重症化しにくいから何とかなるのでは」「感染のピークアウトも遠くなさそう」と楽観視している、または楽観視したい人が明らかに多く、より手のひら返しをしやすい状況に見えます。

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