「海外の婚活サイト」で結婚した40代女性のリアル 生粋のイギリス人との出会いと結婚生活とは

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久美子さんには結婚のほかにも夢があった。海外で働くことだ。特にヨーロッパの街並みに憧れがあり、30代半ばで日系企業のITサポート部隊として渡欧。43歳のときには念願のイギリス移住をかなえている。

「給与水準も高くて働く環境も整っています。でも、最近は人が冷たくなったなと感じています。私たち移民に対してだけではなく、全体的にギスギスしているんです。仕事を見つけるのも大変だし……。ネガティブなことばかり言ってすみません」

それでもイギリスで暮らし続けたい気持ちは変わらなかった久美子さん。結婚を考え、有料のデーティングサイトに登録した。自分の性格などを細かく記入する必要があり、真面目な人が多く登録していると感じたからだ。

「それでも変な人はたくさんいました。アメリカのミリタリーを退役したという男性から、Apple Cardがすぐに必要だから買ってくれと言われて、それぐらいならとあげてしまったこともあります。その次は2000ポンドの振り込みを頼まれて、やっと詐欺だと気づきました。ビデオコールには出ないので、プロフィールの写真とは違う人なのだと思います」

詐欺被害だけではない。

「遊び目的の人や、馬鹿にした態度を取ってくる人、相手のことを気にせず自分の飲み物だけを持ってくるような人ばかりで、戸惑いました」

20代のときのように「好青年」との交際を望んでいたわけではない。浮気をしない誠実な人で、自分と年齢が近いこと。久美子さんが相手に求めていた2つの条件だ。

「でも、40代の私と年齢が近い男性はもっと若い女性との出会いを希望するのです。それは日本人もイギリス人も同じだな、と思いました」

「年齢の近さ」という条件をやめてみると…

久美子さんは年齢が近いという条件を緩め、11歳上の理想的な外見の男性と出会う。身長180センチで碧眼やせ型のダニエルさんだ。すっきりした顔立ちに久美子さんはときめいた。ただし、デートする前に2カ月ほどメッセージのやり取りをして慎重を期したと振り返る。

「2、3日に1度ぐらいのペースで長いメッセージをくれました。今日一日、自分が何をしたかというたわいもない内容です。それに対して私がコメント。それだけでも楽しかったですし、誠実さも感じました」

実際に会ってもダニエルさんの印象は変わらなかった。英語が母国語ではない久美子さんの話にもちゃんと耳を傾けてくれた。とにかく自分に優しくしてくれる。それが一番だと久美子さんは感じた。

「正直すぎるほど正直なんです。昔はカッコ良かったみたいなので彼女はいなかったのかと確認したら、3週間に1度ぐらいエスコートサービスを利用していたと話してくれました。商売の女の人ですね。でも、彼女たちは専業ではなくて、普段は看護師とかカフェ店員なのだと教えてくれました。私はそんなことまで知りたくなかったのですが、彼は何でも正直に言うことが正しいと信じている人なのです(笑)。嘘がないのはいいことなのですが……」

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