官主導の自動車金型大手統合は
支援機構の存在証明か

「ものづくりニッポン」を守る、という大義名分はある。それにしても、仕掛けが大仰すぎないか。

企業再生支援機構のバックアップを受け、自動車金型で国内2位の富士テクニカと3位の宮津製作所が統合する。富士テクニカが宮津の事業を買収する形を取り、宮津は事業譲渡後、清算する。

再生機構は事業買収資金など53億円を富士テクニカに出資し、取引銀行はDES(債権の株式転換)など43億円を支援。運転資金も最大30億円を追加融資する(うち半分を支援機構が保証)。締めて支援金額は126億円。富士テクニカの前期売上高158億円の約8割に達する。

両社の苦境は紛れもない。宮津は2期連続赤字で18億円の債務超過。前期ようやく小幅黒字化した富士テクニカも、今期18億円の営業赤字に逆戻りする。「リーマンショック後、案件の中止・延期が相次いだ。韓国や台湾、中国の金型企業が規模的にも技術的にも、われわれの分野に入り込んできている」(宮村哲人・宮津製作所社長)。

ドアは開くのか

だが、より根本的な問題は国内自動車メーカーが金型の内製化を進め、富士テクニカや宮津のような専業メーカーに仕事が回ってこなくなっていること。いわば、国内大手に“見限られ”、やむなく新興国市場に売り上げを求めて、現地企業との消耗戦を余儀なくされている構図だ。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • ほしいのは「つかれない家族」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激震! コロナ危機<br>総力特集 土壇場の世界経済

欧米での爆発的な感染拡大により、リーマンショック以上の経済悪化が濃厚です。「自宅待機令」下の米国現地ルポに各国の政策対応、トヨタも国内工場停止に至った自動車産業、ほぼ半値へと急下降したREIT市場など徹底取材。