「鬼滅の刃」の鬼殺隊に孤児が多い歴史的背景 主要キャラクターの半数は両親を失っている
主要キャラクターの半数は孤児
今や日本で『鬼滅の刃』を知らない人はほとんどいないだろう。日本には、秋田県男鹿半島のなまはげなどのように、山の精霊や神の使いとしての鬼も存在するが、『鬼滅の刃』に登場する鬼たちは、人間を喰らう「悪の象徴」である。日本の古典にも鬼による殺人事件や誘拐事件が記録されているが。このような悪の象徴としての鬼の正体は、社会から排除された者、権力に敗北した者たちである。このような人々は、自らの生存と自尊心を守るために、社会と人々に害をなす存在=鬼となったのである。
『鬼滅の刃』に登場するすべての鬼たちもまた、元は人間であり、貧困や能力的な問題などから罪を犯し、一般社会からドロップアウトした存在である。『鬼滅の刃』は、人間時代に得られなかったものを鬼の力で得ようとする鬼たちの物語でもあるのだ。
一方、鬼狩り集団である鬼殺隊の人々の過去も、鬼たちと同様に悲惨である。鬼殺隊の多くは鬼によって家族や近しい者を殺された者たちである。作中でわかっているだけでも、主人公の竈門炭治郎をはじめ、我妻善逸、嘴平伊之助、胡蝶しのぶ、冨岡義勇、不死川実弥・玄弥兄弟、時透無一郎と、主要キャラクターのおよそ半数は孤児や両親を失った者たちだ。また栗花落カナヲは両親を失ってはいないが、その両親によって人買いに売られている。
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