ワクチン自前供給に出遅れた日本が次に備える手 デュアルユースも政権の掲げる「新しい資本主義」
日本は雇用市場の流動性がない
橋下徹氏(コメンテーター、元大阪市長、弁護士):そもそも日本は雇用市場の流動性がなく、優秀な人材を集めるのに非常に苦労する。一度雇うと、終身雇用的になかなか人材を替えることができない。日本では、いわゆるウーバー・システムをやろうとしても、タクシー業界などからの反対で新しいことができない。先進国でウーバー・システムを導入してないのは日本だけだ。半導体の工場を日本に持ってくるというだけではなく、そのほかのさまざまな競争力を高めるものが合わさらないと、あっという間にその半導体工場も衰退すると思う。
萩生田光一氏(経済産業大臣):大切な視点だ。このコロナを経験するまで、日本はそれなりのことができる国だとわれわれは思っていた。しかし、国内でワクチンが生産できない、マスクがない、注射針がない、給湯器の半導体やコネクター、ハーネスがないため風呂に入れない国民がいる。先進国として恥ずかしい実態が露呈した。われわれは、コロナ前とコロナ後では価値観を変えていかなければいけない。今、橋下さんが言ったように、人を囲い込むような終身雇用制度のような形ではなく、技術を持つ人たちが流動性を持って仕事を変えていくことも含めて、日本全体で価値観を変えなければいけない。そういう時に来ている。