「安倍官邸の功罪に学ぶ岸田官邸」が内包する課題 内部の結束力を高め官邸主導を機能させられるか

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岸田政権が成立して4カ月になり、官邸のあり方も定まりつつあるようにみえる。正副官房長官会議を毎日開いたり、今井氏と同じ経産省出身で同期の嶋田隆氏を首席秘書官につけたりと、一面で安倍官邸を参考にしていることがうかがわれる。

ところが、官房長官以下のラインの存在感は薄い。第2次安倍政権の菅官房長官とは異なり、松野博一官房長官は調整型の政治家であり、幹部官僚人事を梃子に各省庁を統制するという政治的意志は弱いようだ。

キーパーソンは木原官房副長官と嶋田首席秘書官

ただ1人、宏池会の事務局長でもある木原誠二官房副長官が、最側近という立場から岸田首相との面会回数も多く、政策調整などで八面六臂の活躍をみせている。岸田首相の分身的存在という点からみると、第2次安倍政権の今井首席秘書官に相当する役割を果たしているということができよう。

また、首相補佐官も安倍政権とは違い、ほとんどが政治家である。ようやく今年1月、森昌文氏が唯一の官僚出身者として、このポストに任命された。森氏は和泉氏と同じ国土交通省出身である。和泉氏は住宅局長というポストだったが森氏は元事務次官であり、基本的に各省庁の意向を尊重するとみられる。森氏については、和泉氏のような官房長官(もしくは首相)との緊密な個人的関係はみられないと聞く。

木原官房副長官とともに岸田官邸で重きをなしているのが、元経産事務次官の嶋田氏が率いる首相秘書官チームである。嶋田氏に加え、岸田首相の秘書の山本高義氏が政務の秘書官であり、事務の秘書官は財務省2名、外務省、経産省、防衛省、警察庁が各1名である。財務省主計局次長から起用された宇波弘貴氏、前経産省商務情報政策局長の荒井勝喜氏をはじめ、歴代政権に比べて入省年次が高い重量級の布陣である。

コロナ対策についてみると、第2次安倍・菅政権の首相官邸で中心を担ったのは和泉補佐官であった。それに対して岸田官邸では、財務省で厚労予算の査定の経験を持つ宇波秘書官が重要な役割を果たし、そこに森補佐官が加わった。

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