1日1時間も整頓に費やす会社がぐっと伸びた必然 一倉定が説く「環境整備」の驚くべき効能とは

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日本のドラッカーとも呼ばれた伝説の経営コンサルタント、故・一倉定氏。一倉氏の経営哲学の根底にあった「一倉式環境整備」を掘り下げます(写真:【IWJ】Image Works Japan/PIXTA)
日本のドラッカーとも呼ばれ、数多くの著名な経営者に影響を与えた伝説の経営コンサルタント、故・一倉定氏。近年いくつかの著作が復刻され氏の経営哲学に触れることができますが、その根底に“規律・清潔・整頓・安全・衛生”を旨とした「環境整備」があることはあまり知られていません。一倉氏の社長学を研究し実践してきたコンサルタントの舛田光洋氏の新著『一倉定の環境整備 1万社を復活させた経営の神髄』より引用し再構成のうえ、「一倉式環境整備」を掘り下げます。

「環境整備」で業績が上がる

私のコンサルティングは、環境整備に始まる。これ以外に何もしないのに、業績が上がっていく。後はすべて、自然とうまくいく。
一倉定の社長学第10巻『経営の思いがけないコツ』より
環境整備とは、規律・清潔・整頓・安全・衛生の5つを行うことである。
多くの人々は、環境整備について、知っているようで、その実よく知らない。
大切なことだから、やらなければいけないと思いながら、なかなか積極的に実施しようとはしない。環境整備をテーマにした論文やセミナーなど皆無に近い。
環境整備に対する認識も関心もうすいのである。私にいわせたら、これほど奇妙な現象はない。
一倉定の社長学第9巻『新・社長の姿勢』より

“社長の教祖”“日本のドラッカー”とも呼ばれた伝説のコンサルタント、故・一倉定先生は、著書の中でこのように述べています。

一倉式環境整備とは、「規律・清潔・整頓・安全・衛生」であり、簡単に言えば、いらないものを捨てる、ほこりも汚れも取り除き、物の置き方と置き場所を決めるということです。

これをやるだけで、業績が上がる、つまりお客様が買ってくれるようになる、ということです。信じられるでしょうか?

一倉定先生とはどんな存在だったのでしょうか?

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