「アキバらしさ」が消える?秋葉原再開発の青写真 家電にサブカル、時代を映し変化してきた駅周辺

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さらに1990年代半ば頃からは、「IT機器の街」とのイメージが強くなった。万世橋から地下鉄銀座線末広町駅付近まで立ち並んでいた家電量販店が競ってリーズナブルな価格になったパソコンを扱い、一方で上級者向けのパソコンショップが裏手の路地に多数、出店した。

総武線ガードを挟んで家電量販店などが並ぶ(筆者撮影)

しかし、そうしてパソコンや携帯電話、スマートフォン、ひいてはインターネットが普及したおかげで、家電製品を通信販売で買う習慣が広まり、かつ、主要ターミナル駅や郊外に大手家電量販店が積極的に進出して、皮肉にも相対的に秋葉原の地位は低下していった。「電気街」との愛称は残っても、その中身は大きく変質したのだ。

サブカルチャーが主役に

家電に代わって、秋葉原の主役となったのがサブカルチャーだ。インターネットとの親和性が高く、かつAKB48やメイド喫茶、同人誌の売買のように「秋葉原へ行かねば触れられない」文化が根づいた。

空きテナントが目立つ秋葉原駅周辺(筆者撮影)

AKB48劇場のオープンは2005年である。ヨドバシカメラの進出もあって、家電量販店やパソコンショップは軒並み撤退に追い込まれ、跡に〝サブカル〟の店が入る例が相次いだ。秋葉原駅の南西側の一角が、その象徴だろう。

ただ、家電量販店が一時、息を吹き返したのが「インバウンド需要」が巻き起こった時である。しかしそれも新型コロナ感染症の流行までで、今は見る影もない。空き店舗も目立つようになってしまった。現在は雌伏の時代とでも言おうか。

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