「御徒(おかち)」とは馬に乗ることが許されない下級武士のことで、江戸時代、この地域に集められて長屋住まいをしていたため、御徒町と名付けられた。東京では消えてしまったが、全国の城下町に見られる町名である。現在では台東区の台東、上野、東上野の一部に該当する。
御徒町駅は1925年11月1日、神田―上野間の電車専用線が開業し、山手線が現在のような環状運転を開始した時に設置された。秋葉原はすでに貨物駅として営業していたので、この時の新駅は御徒町だけ。1971年に西日暮里が開業するまでは、山手線でいちばん新しい駅であった。
乗り換え駅だが駅名が違う
JR御徒町駅のすぐ側、西側には東京メトロ銀座線の上野広小路駅、東側には日比谷線の仲御徒町駅がある。お互いに十分、乗り換え駅として使える位置関係ではあるが、隣が両線とJRが接続するターミナル駅の上野であるため、接続の案内は積極的には行われていない。
ただ、上野乗り換えより近いため、日比谷線と相互直通運転を行っている東武スカイツリーライン方面から、山手線東京方面に乗り換える際は、仲御徒町と御徒町の間が隠れたルートとして知られている。
様相が少し変わったのが、上野広小路と仲御徒町の間を結ぶかのように、都営地下鉄大江戸線上野御徒町駅が2000年に開業してからだ。しかしながら、4線の駅が近接しているのに、すべて駅名が違う事態になっている。また、つくばエクスプレスの線路も御徒町駅のすぐ近くの深い位置を通っているが駅はない。2005年に開業した同線の新御徒町駅は東へ約700m離れており、所在地も台東区小島2丁目になる。
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