「上野の一角」でない、御徒町駅の個性とは何か 乗り換え便利、周辺の店舗には独特の味わいも

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JRの御徒町―上野間は営業キロベースで、わずか0.6kmしか離れていない。山手線で、これは日暮里―西日暮里間0.5kmに次ぐ近さだ。そのため御徒町駅至近であっても、銀座線や大江戸線の駅、松坂屋上野店をはじめ「上野」を名乗る施設は多い。

「アメ横」の御徒町駅側の入り口(筆者撮影)

上野の象徴の1つのようなアメヤ横丁も、南側の入口は御徒町駅北口のすぐ側なのだが、「東京・上野のアメ横」と紹介されてしまう。寄らば大樹の陰ではないが、知名度に違いがあり、集客にも名称が影響しそうなのが現状だ。

駅の東側、宝石・貴金属店が並ぶ「珊瑚ストリート」(筆者撮影)

いちばんの御徒町らしさと言えば、まず吉池や多慶屋など、ここ独特の大型小売店舗の存在。アメヤ横丁と並んでインバウンド需要でにぎわった時期もあった。そして、JR駅東側から昭和通りにかけての一帯に集まっている宝石・貴金属店があるだろう。

商品単価が高いので、頻繁に訪れるような場所ではなかろうが、東京でもほかの地域にはない大きな特徴だ。各店舗は商店会「ジュエリータウンおかちまち」を結成し、PRに努めている。エリア内の道にも「ダイヤモンドアベニュー」「ルビーストリート」など宝石にちなんだ愛称を付けているが、ただ、今ひとつ目立たない印象だ。渋谷のハチ公像のような、宝飾を表現する、何かシンボル的なモニュメントが駅前にあればよいと思う。

地域の中核は中央通り沿い

上野としてくくられることが多いが、商業的に最もにぎわっているのは上野駅と御徒町駅の間、主に上野広小路駅前の中央通り沿いだ。近年の大きな変化と言えば、2017年11月の複合商業施設「上野フロンティアタワー」のオープンだろう。

2017年に開業した「上野フロンティアタワー」(筆者撮影)

ここも御徒町駅南口を出て、歩いて1分の距離だが、上野を名乗っている。

もとは松坂屋上野店南館があったところで、パルコ、TOHOシネマズなども入る22階建ての高層ビルになった。商業ビルから商業ビルへの建て替えであるので、街並みの風景には大きな変化は生じず、隣接する松坂屋上野店、さらには上野駅方面へつらなる商業ビル群が、一体的な景観を形作っている。

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