自然豊かな日本で「山を手放したい人」が多い理由 自然災害で発生する事故を危惧する持ち主も

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ここからは、山を購入する際の基本的な手続きの流れについて見ていきます。宅地建物の売買には「宅建業」(宅地建物取引業)の免許が必要ですが、山の売買には免許資格の必要がなく、仲介手数料の規定もないため、手数料は決まっていません。

ほとんどが仲介業者の言い値ですが、業者によっては手数料ゼロということもあります。そのあたりを明確にするために、山の売買を専門に扱うサイトでは、仲介手数料込みの価格を提示しています。

欲しい山があったらどうする?

山を扱う仲介業者には、不動産会社が仲介を兼ねている場合とそうでない場合がありますが、基本的には不動産会社に間に入ってもらったほうが手続きがスムーズであり、安心して交渉が進められます。

不動産情報サイトなどで山を探して、購入したい山が決まったら、不動産会社に連絡を入れます。「どのくらいの手数料でやってもらえますか?」と聞けば、「契約書を作成するくらいでしたら、10万円で結構です」というような答えが返ってきますから、山の代金に10万円の仲介手数料をプラスして支払うことになります。

話がまとまったら、数日後には不動産会社が売買契約書を作ってくれるので、そこに印鑑を押して、売り主の印鑑を確認したら、代金と仲介手数料を支払います。

早ければ、その場に司法書士が同席してくれますので、司法書士に手数料を払って権利書を渡し、所有権の登記が終わったら、新しい登記済みの権利書を受け取って、所在地の役所に土地所有者の届け出を提出すれば終了です。

後々のトラブルを回避するために、山を買う前に確認しておくべき注意点は、いくつかあります。

例えば「地籍調査」が終わっているかどうか。地籍調査とは、主に市町村が主体となって、土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置や面積を測量する調査のことです。地籍とは、いわばその土地の戸籍を意味します。

ほかにも、境界線は明確になっているか、土地の用途は何か、通行できる道はあるか、管轄の森林組合はどこか。登記後の維持費はいくらか等々、確認すべきポイントがあります。

さらに、以下の3点にも注意が必要です。1つはその山に大木があって、近くに民家がある場合は要注意です。大木が倒れて民家を直撃する事故は意外に数多く発生しています。

「自然災害だから」とか「想定外の出来事だから」という理由だけでは責任を免れず、民家の持ち主から損害賠償請求を起こされる可能性もあります。大木や民家というのは、ちょっと見ればすぐにわかることですから、事前の確認を怠らないようにすべきです。

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