小さい頃の夢「タケノコの山」を手にした男の野望 「好きなだけ採っていいよ」に知り合いは大喜び

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この募集が功を奏して、関西在住の会社社長が「船を置きたい」と賃貸の申し込みをしてくれました。すぐに関西までクルマを走らせ、素早く契約書を取り交わしました。その後、急いで電力会社に連絡を入れて、こう伝えました。

「借り手が決まりました。ここを使いますから、電柱は残してくださいね」

こうして4本の電柱が残っただけでなく、月2万円の賃料が入ることになりました。1円で買った物件が年間24万円の賃料と、年間3000~4000円の電柱敷地料を生んでくれるのですから、僕としてはかなり儲かる形で落ち着きました。

失敗例は畑の購入で起こった

逆に、失敗した例も紹介しましょう。電柱があるならば、何も山だけに限定する必要はなく、僕は宅地も含めて幅広く探し始めました。

そして静岡・静岡市にある3坪の狭い土地に出会いました。元々は畑だった土地が、13万5200円で売りに出ていたのです。

近くに新幹線が走っていて、三角形に残った畑です。面積は3坪しかありませんから、もうどうしようもなく使えない土地なのですが、そこには電柱が1本と支線2本が入っていました。

支線というのは、電柱の片側に電線の張力が掛かる場合、その反対側に張って張力のバランスを取るための線のことで、扱いは電柱と同じです。つまり、たった3坪の土地に3本の電柱があることになります。

その土地の固定資産税評価額は3坪で2万円でした。畑や田んぼなどを農地以外で使用する際は、都道府県知事に「農地転用」の届け出をして、認可を得なければなりません。

「農転」をすると評価額が上昇するのが一般的ですが、仮に評価額が10倍にアップしても、評価額は20万円ですから、免税点の30万円以下となり、固定資産税はかからないと判断して、この土地を買うことにしました。

すぐに不動産会社に電話して、「13万5200円で出ていますが、僕は15万円で買いたいと思っています」と逆に値段を上げて買いました。

電柱が3本あるので年間4500円が入り、土地を造成すれば駐車場として月3500円で貸し出せます。「これは儲かるな」と思って、確実に手に入れる手段に出たのです。

でも、喜んでいられたのは買った年だけでした。農転したら、翌年の評価額が僕の予想を大きく上回る20倍に跳ね上がり、免税点の30万円を飛び越えて40万円となってしまったのです。今では毎年6000円ほどの固定資産税を納めていまから、僕の完全なヌカ喜びに終わりました。

農転というのは、やってみないと評価額がいくらになるのかわからない「ビックリ箱」なのです。畑や田んぼは税金が安いから評価額も2万円だったのですが、まさか20倍になるとは、夢にも思いませんでした。完全に裏目に出る結果となってしまいました。

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