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「香港デモ封殺」から透ける、中国政府の焦り 情報操作は無理、格差是正なければ中国はもたない

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それにしても、中国に出張をして常に違和感を覚えるのは情報操作があからさますぎることだ。フェイスブックも ツイッターも ユーチューブも一切つながらない。テレビでも、都合の悪いニュースは一切といっていいほど、報道しない。

ただし、学生たちは別だ。「違法」でも、つなぐ方法を知っているので実質的には海外のネット情報は見放題である。従って、実質的に中国のネット利用者のかなりの人数にのぼり、現在の香港のデモのニュースは、筒抜けと言ってもいいほどだ。中国国内の不動産価格の情報も、やはり海外のネット情報から一般市民はある程度わかっているようだ。命の次に大切な金銭に関する情報を隠そうとしても隠しとおせるわけがない。これも時代の流れで、ネット社会を政府が規制しようと思ってもできるものではない。

ジニ係数0.73の衝撃

7月に発表された、北京大学の中国社会科学調査センターの「中国民政発展報告2014」によると、中国では貧富の差を示すジニ係数は「0.73」というショッキングなものである。ジニ係数はゼロ以上1の数値であらわされ、1に近いほど格差が大きい。ちなみに、日本のジニ係数は0.379程度だ。

中国の国家統計局によると、2012年のジニ係数は0.474となっている。北京大学の報告は、この公式統計を大きく上回る。もし本当に0.73程度なら、いつ暴動が起こっても不思議ではない数字ではないか。同報告によると、中国の富裕層の1%が3分の1の富を独占する一方、最下層の3億人の人口の民衆の富をすべて合わせても1%であるという。

このままの状態を放置すると、いよいよ習近平政権は、窮地に追い込まれていくといっても過言ではない。香港から始まった今回の抗議デモは、結局のところ、形を変えて大陸でも拡大していく可能性があると考えるが、今後の成り行きを見守って行きたい。

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