WTO敗訴「無視」の中国と、どうつきあうか 「レアアース国際紛争」敗北でも、国内論理を優先

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WTOの「レアアース紛争」で中国は敗北を喫した。だが、自分たちの論理を変える気は、今のところないようだ(写真:中国内モンゴル自治区のレアアースの生産現場、AP/アフロ)

前回は、「日本が中国に『貿易戦争』で勝った日」というコラムを書いた。「レアアース紛争」から約4年。中国の「WTO敗訴」が確定的になったことの意味を、読者の皆さんにぜひお伝えしたかったからだ。

実際、8月28日に中国のレアアースでのWTO敗訴が最終決定した。実はこの敗訴決定直後、中国で大きな「国際レアアース会議」が中国で開催された(9月10日~12日、四川省・成都)。筆者は、同会議から招聘され、パネリストの一人として参加したので、この会議の模様を通じた、「WTO敗訴後」の中国の考え方などをお伝えしたい。

終始「被害者」を強調した中国

レアアース会議の参加者は総計で170人以上だった。そのうち、中国人以外の外国人参加者は約70名前。ただし中国人出席者は登録をしないということなので、正確な参加人数の把握は不明。会議では商務省の代理でチェアマンを務める、「中国五鉱化工進出口商会」のYinan Liu氏の基調講演で始まった。

Liu氏の挨拶は「WTO裁定での中国敗訴は、 中 国 国 内事 情が理解されず 誠に残念」だった。続けて「資源と環境の保護のためには、希土類資源の輸出制約は仕方がない」と強調。いきなりのWTOのフェアな貿易ルールを一切無視した論調に、外国人参加者はいささか白けたようだった。

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