日本人は物価上昇の悪い面をあまりわかってない 国民は困窮して財政は好転、日銀の責務が重大だ

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これまでの経験則からいうと、輸入価格の変動が、数カ月のタイムラグで、消費者物価の変動に影響を与えている。輸入物価が40%上昇すれば、それから数カ月後の消費者物価指数の上昇率が4%程度になってもおかしくない。

事実、消費者物価の予想上昇率は高まっている。日本銀行が1月11日に発表した生活意識調査によると、一年後の予想物価上昇率の平均は5.5%だった。これは、2008年12月の5.7%以来の高水準だ。

パニックが起これば、価格転嫁が容易に

消費者は、生活必需品の値上げに敏感になっている。

第1次オイルショックの時に、トイレットペーパーなどの買いだめが起きた。これと同じようなことが起きないとは言えない。

不合理な買い占めは、ごく最近も起きた。2020年の春ごろに起きたマスクの買い占めがそれだ。マスクの売り場に長蛇の列ができ、インターネットでの発売は開始直後に注文が集中して、サイトがダウンしてしまった。マスクだけでなく、一時はティッシュペーパーなどもコンビニエンスストアの棚から姿を消した。

新型コロナの影響で消費が弱いことから、企業が値上げに慎重だという見方がある。

確かに、旅行などの選択的消費についてはそうだろう。しかし、日用品や食料品などの生活必需財は、値上がりしても消費者は購入せざるをえない。

食料品は買いだめできないが、トイレットペーパーならできる。パニックにとらわれれば、人々はこうした行動に走る。

恐ろしいのは、パニック心理が、インフレを加速させる危険だ。人々がパニック心理にとらわれれば、企業は、原材料高を製品価格に転嫁することをためらわないだろう。

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