30歳過ぎても「べったり母子」に抱く父親の大不安 父親はどのように子育てに関わればいいのか

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子育てにおいて「父親の役割」とは?(写真:8x10/PIXTA)
2022年、男性の育児参加が大きく変わる。4月からは自身や配偶者の出産・妊娠を届けた社員について、育児休暇を取得する意思があるかどうか企業が確認する義務を負う。10月には「男性産休」の仕組みがスタートする。
男性の育児参加が少ないとされる日本に「イクメン」という言葉が登場してから十数年、今年を機にさらに父親による子育てが促されていくだろう。だが、「イクメンブームが加速する裏では父親になれない男性が増えており、その弊害は子どもの自立にも影響を及ぼしている」と言うのは、教育心理学者で、2児を育てた経験も持つ榎本博明氏。榎本氏の新刊『イクメンの罠』から、決して見失ってはいけない「父親の役割」について紹介する。

一緒にアイドルのコンサートに

30代の娘が2人いるという60代の父親から相談を受けた。

「うちでは子どもが小さい頃から、家族みんなで仲良くしてきました。『かわいいのは小学生まで、中学生になれば生意気になり反抗的になる』と聞いていましたが、わが家の娘たちはそんなことはなく、中学から高校、そして大学に入っても、親子一緒にアウトレットに買い物に出かけたり、アイドルのコンサートに行ったりしてきました。

職場の同僚からはうらやましがられるし、たまには『過保護じゃないか』と言われることもありましたが、自分たちも娘たちのよき理解者を自負していたのです。

ちょっとまずいなと思い始めたのは、娘たちが20代の後半になってから。どちらにも恋人ができる気配がありません。心配になって聞くと、下の娘は親しく話す異性はいるが恋人という感じではないという。上の娘にいたっては、異性との関わりはまったくないという。恋人どころか、親しい友だちと出かけるということさえ、あまりないんです」

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