コロナ禍で深刻化「睡眠不足」が本当にマズい訳 睡眠の質を改善するにはどうしたらいいのか

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熟睡できていても、一般に推奨されている7〜8時間より短い睡眠時間しかとっていなければ、自分では短い睡眠サイクルでも大丈夫だと思っていても、医学的には十分とは言えないかもしれない。

例えば、ある大規模な研究によると、慢性的に睡眠不足の中高年は、晩年に認知症を発症するリスクが高くなることが示唆されている。

昨年春に『ネイチャー・コミュニケーションズ』誌に発表されたこの研究では、イギリスの50歳代の約8000人を約25年間追跡調査しました。平均睡眠時間が7時間の人に比べ、平日の夜の睡眠時間が6時間以下の研究参加者は、約30年後に認知症と診断される確率が30%高くなった。

短くても、寝すぎてもダメ

一方で、7時間を大幅に超える睡眠をとっている人も、必ずしも睡眠に関する健康リスクを免れているわけではない。最適な健康状態を保つには、6時間から8時間の睡眠ほどがいいようだ。

カリフォルニア大学サンディエゴ校とアメリカ癌協会の研究者が30歳から102歳の成人100万人以上を対象に6年間行った研究では、睡眠時間が8時間以上または4時間未満の人の死亡率が最も高く、U字型の曲線を描いていることが明らかになった。

7万1617人の女性を10年間追跡調査したナースヘルス研究(Nurses' Health Study)では、8時間睡眠の人が心臓病を発症するリスクが最も低かった。しかし、8万4794人の看護師を最長24年間追跡調査した別の研究では、睡眠時間が9時間以上の人は、平均6時間以下の人に比べてパーキンソン病を発症する確率が2倍になったという。

しかし、一般人も専門家も、睡眠時間の長さよりも短さを心配する人が遥かに多い。それは一理ある。睡眠不足の人はより事故にあいやすく、また、観劇や、コンサート、最も深刻なのは運転中など、不適切なタイミングで居眠りをする可能性が高くなる。

運転中の眠気は、飲酒運転と同じように反応時間を遅れさせる。アメリカ道路交通安全局によると、疲労が原因でアメリカでは年間10万件の自動車事故が発生しており、これにより1550人の死者が出ている。スバル、アウディ、メルセデス、ボルボなど複数の自動車メーカーが、車線の逸脱などの車の動きを監視し、眠気を催したドライバーに休憩を促す眠気検知システムを提供している。

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