ニベアを支持する人がハマる圧倒的安心感の裏側 半世紀も「冬の定番」譲らず、「触れ合い」も訴求

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「青い缶」にこだわり、まもなく100年

ニベアの歴史は古い。発売されたのは1世紀以上前の1911年。実は発祥地はドイツで、バイヤスドルフ社の商品だ。ニベアクリームは現在200以上の国・地域で販売され、年間約4億3000万人以上が愛用。日本での累計販売数は中缶に換算して6億個を超える。

ちなみにバイヤスドルフ社の前身は、1880年にドイツのハンブルク市で開業した薬局で、ばんそうこう製造工程の特許取得を機に、医療品メーカーとして成長した。日本の販売先のニベア花王は、バイヤスドルフ社と花王の合弁企業だ。

「NIVEA」はラテン語で、英語の“snow-white”(雪のように白い)という意味。純白のクリームがブランド名を象徴する。発売された1911年の容器は「アールヌーヴォー缶」と呼ばれる装飾的なデザインだった。現在の青缶の原型は1925年で、まもなく100年になる。

発売時の「アールヌーヴォー缶」(写真左、1911年)と最初のブルー缶(1925年) (写真:ニベア花王)

1968年の日本発売時、合弁相手の花王側スタッフを驚かせたのが、この青い容器だった。「靴クリームの缶みたい」「日本の女性には好まれないのでは」という意見が花王側から出た。それに対して、バイヤスドルフ側は「清潔・シンプル・調和を表す、このパッケージこそがニベアブランドだ」と一切譲らなかったという。

今もブランド哲学は受け継がれている。青への思いは強く、常緑・不朽を意味する「エバーグリーン(Evergreen)」ならぬ「エバーブルー(Everblue)」ともいえるこだわりを示す。

実は美容商品の中でも、オールパーパスクリームは、比較的新規参入も少ない市場だ。競合は高付加価値訴求で高額商品を展開する。そうなると、ワンコイン(500円玉)以下で買える商品には参入しにくい。「手軽に買えるクリーム」として根強い人気なのだ。

ブランド拡大も地道に行う

青缶が目立つニベアだが、ブランド拡大もしており、高級感のある「Royal Blue」(ロイヤルブルー)シリーズも展開する。男性向けには「NIVEA MEN」というシリーズがある。男性用フェイスケア市場では資生堂などを抑えてシェアトップだという。

美容意識の高い人は若年層を中心に男性にも広がった。もちろん個人差はあるが価格も手頃なので、肌荒れが気になると手にとりやすいようだ。今回はこんな声を聞いた。

「ニベアは昨年11月に初めて買いました。30代半ばとなり、乾燥肌によるかゆみが気になっていたので、たまたまドラッグストアのレジ横にあった商品を購入。今は風呂上がりに全身に塗っています」(35歳の男性会社員)

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