"無敵"GAFAが「中国テックに負ける」最悪シナリオ 「AIという主戦場」でGAFA+Xが立たされた窮地

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いま、自動運転の影響としては、「ハンドルを持たなくていい」「ネットフリックスが見られる」など、他愛ないイメージしかありません。しかし、いずれもっと大規模なライフスタイルの変化をもたらす可能性があると思います。

例えば、家そのものが移動してもいいわけです。トレーラーハウスが自動運転になれば、寝ている間に走って移動することもできます。そうなると、人類が1万年以上続けてきた「定住」がなくなり、狩猟採集時代のような移動生活に戻るということも考えられますよね。

今あるテクノロジーが、どんなイノベーションを駆動するのか。それを見極めた会社が勝つということでしょう。

『GAFA next stage』には、いろいろな会社の可能性が書かれていますが、現状ではGAFAも完璧というわけではありません。

例えば、ヘルスの分野でアマゾンの可能性が紹介されています。確かにアマゾンは、あらゆるものを販売していて、アメリカではスーパーも経営しています。顧客の購入履歴や家族構成などのデータも把握しており、それをもとに医療サービスを提供することもできます。

ただ、アップルという強敵もいます。アップルウォッチは、血中酸素濃度や心拍数などを測ることができますし、転倒検知機能もついています。転ぶと「転倒しましたか?」と確認があって、応答しないと自動的に救急車を呼び、家族に電話がかかるという仕組みです。

アップルウォッチは、人間の身体をインターネットに接続するIoTのデバイスです。膨大な量の健康データが、アップルのクラウドに集約されることになります。未来のヘルスケアは、心拍数、血圧、体温などから、AIが「明日、脳卒中で倒れる可能性が高い」と予測する、というようなことも可能になるかもしれません。

身体のデータと購買履歴からの分析。このどちらが勝つのかを考えなければなりません。

リアルを制する者が勝者になる

フェイスブック(現メタ)は、メタバースをビジネスに使えるようにすると表明しています。しかし、それが本当に普及するかどうかは、慎重に考えなければなりません。

ヘッドマウントディスプレイを装着すると、周囲が見えなくなります。その状態で1日中、仕事をしていられるのか。さらに、その中で会議をしたり、ドキュメントやスプレッドシートを共同編集したり、動画を編集したりする必要がありますが、そのような技術は現状ありません。

PCでできる作業をメタバースに移すだけではなく、メタバースでしかできない作業を見いだす会社が今後出てくるかどうかという点もあります。

GAFAは、インターネット空間の勝者となりましたが、その先は、リアル空間を制するものが、次世代のビッグテックになるのではないでしょうか。

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